東洋製缶グループホールディングス（GHD）は、辻調理師専門学校、日本ジビエ振興協会と共同でレトルト技術でジビエの利活用を目指すプロジェクトを始動したと発表した。鹿肉を使った「長野のジビエ三種缶」を開発し、クラウドファンディングを通じて販売を始めた。
ジビエの利活用には、安全性、流通と保管、調理の手間という3つの課題がある。野生鳥獣は菌やウイルス、寄生虫などを保有する可能性があり、適切な処理と加熱が必要だ。また安定的な需給計画が困難で冷凍設備も必要なため、レストランでの取り扱いが難しい。専門的な知見も必要で、部位によっては長時間の煮込みが必要となるなど提供側の労力も課題となっている。
プロジェクトでは、これらの課題をレトルト技術の加圧加熱殺菌で課題を解決する。菌やウイルスを死滅させて安全性を確保し、常温での長期保存を可能にして需給の安定化に寄与する。加熱済みのため開封後にすぐに食べられ、仕上げだけで調理が完了するので飲食店での取り扱いも容易になる。
約3年の期間の研究開発をかけて開発した「柑橘（かんきつ）香る鹿肉と大豆のコンフィ」「鹿肉とトマトの猟師風煮込み」「鹿肉の清酒煮」の3缶セットを、応援購入サイト「Makuake（マクアケ）」で1日に販売開始した。
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