記者会見する名鉄の高崎社長(12日、名古屋市)

名古屋鉄道は12日、名鉄名古屋駅周辺で進める再開発について、開業時期を「未定」にすると発表した。人材確保が難しいことを理由に、工事の応募参加者から現計画の解体と施工が困難として11月下旬に入札辞退届が出たため。当初は2033年度以降にオフィスや大部分の商業施設を開業し、40年代前半の全面オープンを目指すとしていた。

同日記者会見した名鉄の高崎裕樹社長は「入札辞退届により工事が大幅に遅延することが確実となりスケジュール変更をせざるを得ない。現計画のスケジュールを今回全て未定に変更する」と話した。

名鉄の再開発計画は、名古屋駅前の名鉄百貨店やホテル、バスターミナルが入る建物などを解体し、新たなビルを新築するというもの。26年度に解体を始め、27年度に新築工事に着工する予定だった。解体の時期からすべて未定とする。

営業終了を案内していた名鉄バスセンター、グランドホテル、スカイパーキングの終了時期も未定にした。名鉄百貨店本店は予定通り、26年2月末に営業終了する。

再開発の規模の変更についても未定とした。新しいスケジュールについては「26年度中にはなんらかの方向性を示せるようにしたい」(高崎社長)という。

再開発ではオフィスや米ハイアット系の高級ホテル「アンダーズ」が入り、名鉄名古屋駅は駅の線路を現在の2倍の4本に増やす計画だ。駅と線路の再整備や高層ビル整備など計8880億円の投資を予定していた。

【関連記事】

  • ・名古屋の名門「五摂家」、リニア後の都市競争へ一丸 名駅と栄がタッグ
  • ・2泊37万円の名古屋発バスツアー 名鉄系、富裕層向けサービス続々

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。