星野リゾートがホテルを開業する門司港レトロ地区の複合施設(北九州市)

星野リゾート(長野県軽井沢町)は15日、若者向けホテル「BEB5(ベブファイブ)門司港」を北九州市の門司港レトロ地区に2026年7月に開業すると発表した。建設中の10階建て複合施設の3〜10階に119室を置く。1〜2階には飲食店などが入り、観光客が長く滞在できる環境をつくる。星野リゾートが福岡県内に進出するのは初めて。

同社の他ブランドより低い価格帯で、20〜30代を中心とした若年層を取り込む。料金は2人利用の素泊まりで1泊1人6600円から。10階には飲食物を持ち込める24時間営業のパブリックスペースを置き、夜景を楽しみながら過ごせるようにした。全室から関門海峡を眺められる。

BEB5門司港の10階に設置するパブリックスペース(提供:BEB by 星野リゾート)

ホテルの入る複合施設はマンション開発の美里建設(北九州市)がプロポーザル入札で北九州市から用地を取得して建設中だ。門司港レトロ地区での大型ホテルの開設は21年ぶり。1〜2階の商業施設はJLLリテールマネジメント(東京・千代田)が運営し、同地区の名物グルメの焼きカレーやラーメン、すし、アイスクリームなどの店が入る。

15日の記者発表で星野リゾートの瀬尾光教ディレクターは「門司港レトロ地区は景観がよく、日帰りはもったいない。大都市圏に近いので、若者が仲間と出かけるにはいい場所だ」とBEB業態を選んだ理由を説明した。同社は対岸の山口県下関市にリゾートホテル「リゾナーレ下関」を11日に開業しており、客層を分ける狙いもある。

北九州市の武内和久市長は「観光大都市への進化というテーマを掲げるなか、宿泊(施設の不足)はボトルネックになっている。(星野リゾートの進出を)泊まって楽しむ観光地を目指すきっかけにしたい」と期待感を語った。同市は所有するJR門司港駅前の「旧JR九州本社ビル」をホテルに活用するため、提案公募を始めている。

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