次期社長に決まり、記者会見に臨む三菱UFJ銀行の半沢淳一頭取(左)と次期頭取の大沢正和専務執行役員=東京都千代田区で2025年12月16日午後4時10分、西夏生撮影

 三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)は16日、三菱UFJ銀行の半沢淳一頭取(60)を社長に充てる人事を正式に発表した。グループの中核を担う三菱UFJ銀行の頭取には、同行の大沢正和専務執行役員(57)を昇格させる。三菱UFJモルガン・スタンレー証券社長には同行の関浩之副頭取(57)が就く。日銀の利上げなどで大手行を取り巻く事業環境が激変するなか、経営陣の若返りを図る。

 いずれも2026年4月1日付。MUFGの亀沢宏規社長(64)は同社会長に、三菱UFJモルガン・スタンレー証券の小林真社長(63)は三菱UFJ証券ホールディングス会長に就任する。

 半沢氏は1988年に三菱銀行(現・三菱UFJ銀行)へ入行し、21年4月に頭取に就任した。16日、東京都内で記者会見した半沢氏は「金利のある世界でのやり方を具体的に実行し、日本の成長を後押しし、それを通じて我々も成長する。また、AI(人工知能)ネーティブな組織にしないとベースとしての競争力強化にならない」と語った。

 大沢氏は91年に三菱銀行入行。欧州本部欧州企画部長やアジア地域担当役員を歴任し、英語が堪能で海外経験も豊富だ。デジタル分野への知見もある。大沢氏は会見で「生成AIは業務にこれから大きな変化をもたらす。行員が高度な業務に関われる時間が増える」との見通しを示した。

 関氏は90年に三菱銀行入行。米金融大手モルガン・スタンレーとの出資・提携交渉など、証券部門で大型プロジェクトを担ってきた。関氏は「培った経験を生かして証券事業のスケールアップ、ポジショニング向上に取り組みたい」と意気込んだ。【福富智、秋丸生帆】

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