参院本会議で2025年度補正予算が賛成多数で可決、成立し、一礼する高市早苗首相(右端)ら=国会内で2025年12月16日午後4時48分、平田明浩撮影
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 政府の経済対策を裏付ける2025年度補正予算案は16日、参院本会議で与党と国民民主党、公明党などの賛成多数で可決、成立した。一般会計の歳出は18兆3034億円と新型コロナウイルス禍後で最大。防衛力整備計画の経費などは約1兆1000億円で、防衛費を国内総生産(GDP)比2%とする目標を達成した。

 高市早苗首相は10月の所信表明演説で、国家安全保障戦略で定められた防衛費を27年度にGDP比2%とする目標について、25年度中に2年前倒しする考えを表明していた。既に25年度当初予算で約9兆9000億円を計上しており、補正予算と合わせると約11兆円に上り、2%に達した。

 首相が「責任ある積極財政」を掲げた補正予算は、物価高対応や投資促進策で歳出が膨らんだ結果、歳入の6割は借金に当たる国債を11兆6960億円追加発行して賄った。衆院では与党が過半数をかろうじて維持し、参院では6議席足りないことから、野党側が求めた施策も取り入れた。

 国民民主は同党が求めた自動車損害賠償責任保険料の特別会計への繰り戻し、公明は子ども1人当たり2万円の給付が補正予算に盛り込まれたことなどを評価し賛成に回った。チームみらい党首の安野貴博氏ら会派に属さない議員6人も賛成した。立憲民主党、参政党、共産党、れいわ新選組は反対した。

 衆院議院運営委員会は16日の理事会で、会期末の手続きを行う衆院本会議を17日に開き、臨時国会を延長せず閉会する方針を確認した。【田中裕之、森口沙織、高橋祐貴】

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