
パナソニックホールディングス(HD)は17日、廃棄時に人手を使わずロボットが自動で解体できる家電製品を2028年度までに発売すると発表した。独自の3D技術や人工知能(AI)を使って、洗濯機や電子レンジの設計を見直す。リサイクルにかかるコスト削減につなげる。
既存製品を3Dモデル化し、解体に必要な手順や時間を分析する。得られたデータをもとに、AIがより分解しやすい製品設計をサポートする。26年1月に開かれる米テクノロジー見本市「CES」で関連技術を展示する。
事業会社のパナソニックと三菱マテリアルが共同出資するパナソニックエコテクノロジー関東(茨城県稲敷市)のリサイクル工場で取り組みを進めている。すでにエアコンの室外機の外装をロボットが自動で取り外せるようになった。こうした現場のデータも、今後の製品開発に生かす。
パナソニックが販売するドラム型洗濯機は、衣類の糸くずが絡まりやすいヒートポンプ(熱交換器)ユニットを本体から取り出しやすい位置に配置している。分解しやすい構造は、こうしたメンテナンスのしやすさにもつながると期待する。
同日、大幅な省エネを実現できる次世代半導体の製造技術についてもCESで展示すると発表した。生成AIの普及に伴い、データセンターの消費電力の増加が問題になっている。
半導体チップを立体的に積み上げてチップ同士をつなぐ導線を短くし、消費電力を従来の数百分の1に抑える「チップレット」という半導体が注目されている。パナソニックグループの半導体製造装置の技術を使えば、半導体同士の貼り付けが容易になるという。
【関連記事】
- ・パナソニックHD、CES展示はBtoBシフト データセンター向け技術など
- ・パナソニックHD「眠る特許」活用 曲がるLEDなど、中小や大学に提供
鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。