「セミコン・ジャパン2025」に出展したラピダスのブース(17日、東京都江東区)

最先端半導体の量産を目指すラピダスは17日、半導体設計企業向けに自律して作業する人工知能(AI)エージェントなどのツール群を提供すると発表した。製造時に得られるデータをAIに学習させることで、画像処理半導体(GPU)などを設計する際の期間を導入前と比べ半分にする。

提供するシステムは「Rapidus AI-Agentic Design Solution(Raads、ラーズ)」と名付けた。2026年度から開発が完了したツールから提供し、27年度の量産に間に合わせる。

設計情報を実際の回路レイアウトに落とし込む際に生じる問題を、AIが事前に解決したり、製造データを設計に反映して精度を高めたりできる。人件費などのコストも3割減るほか、製造段階の歩留まり(良品率)向上も期待できる。

ラピダスは設計から製造までにかかる期間を台湾積体電路製造(TSMC)よりも2〜3倍速くして違いを打ち出す。同日開いた記者会見でラピダスの鶴崎宏亀・設計技術統括部ディレクターは「半導体はこれまで電力、性能、面積が重要視されていたが、AI向けではコストと市場投入期間の2つの要素も競争領域となった」と話した。

石丸一成・最高技術責任者(CTO)も「AIの活用でより高性能の半導体を設計することが可能になる」と語った。

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