
堀場製作所は18日、半導体製造装置向け部品の研究開発拠点で新棟が本格稼働したと発表した。投資額は約40億円で、延べ床面積を増設前と比べて4倍に広げた。部品の性能を確認するための設備と実験設備の処理能力をそれぞれ2倍に高めた。半導体市場が広がるなか、開発力や生産能力の向上につなげる。
研究開発拠点「京都福知山テクノロジーセンター」(京都府福知山市)を増設し、本格稼働した。2階建てで、延べ床面積は5642平方メートル。従業員数は2028年に現状の2倍にあたる70人に増やす。
堀場製作所が世界シェアで6割を握り、ガスの流量を制御する「マスフローコントローラー」の研究開発を担う。新棟を設けることで、ガスの流量の正確性を担保するための設備と半導体向けの材料を気体にする実験設備について、処理能力を従来からそれぞれ2倍に高めた。

IT(情報技術)を活用して性能を高める「エンジニアリング室」も新設した。実験データをもとに仮想空間上でガスの流量を再現するシステムを作る。シミュレーションを通じて、ガスの流量を検知してから制御に反映するまでの応答時間を短くするほか部品の劣化を予測できるようにする。
堀場製作所はテクノロジーセンターの隣接地にマスフローコントローラーなどの新工場を建設中で、26年春に稼働する。他の生産拠点と合わせて、生産能力は現状の約3倍に引き上げる。テクノロジーセンターと新工場が連携し、生産能力と研究開発力を両輪で高める。
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