NHKの番組関連書籍などを手がける子会社「NHK出版」は22日、出版物の運送業務を委託した会社が少なくとも約700万円を不正請求した疑いがあると知りながら見過ごしたなどとして、いずれも50代のマーケティング管理部の担当部長と副部長を懲戒解雇したと発表した。

NHK出版によると、2人は2023年度以降、委託先が運送用トラックの台数を水増しして報告し、架空請求が疑われるにもかかわらず、適切に対応しなかった。刑事告訴を検討している。

さらに担当部長は、19〜21年度に発注したNHK出版の流通センター(埼玉県新座市)の修繕工事で特定の業者が選定されるよう便宜を図り、見返りに約93万円を受け取っていたほか、副部長も22〜23年度に同じ業者に繰り返し内部情報を漏らしていた。

今年8月に担当部長が見返りの件についてNHK出版に申し出たのを機に発覚。同社は、2人の上司の部長を監督不十分で減給処分とし「重大なコンプライアンス違反であり、深くおわびする」とコメントした。江口貴之社長ら役員3人が月額報酬の10〜20%を1カ月返納する。〔共同〕

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