県議会での信任を受け、記者団の取材に応じる新潟県の花角英世知事(22日、新潟市)

新潟県議会は22日の本会議で、東京電力ホールディングス柏崎刈羽原子力発電所の再稼働容認を表明した花角英世知事を信任する付帯決議や再稼働に絡む広報費などを盛り込んだ12月補正予算を賛成多数で可決した。これを受け花角氏は記者団に「新しい段階の始まり」と述べた。花角氏と記者団の主なやりとりは次の通り。

――これまで長い間、再稼働の議論がされてきた。

「東日本大震災の後に原発が停止してもう十数年たつが、その間、政府の安全対策に関する規制基準が厳しいものになり、東電だけでなく全国の(原発)事業者が安全の向上に様々な努力を重ねてきた。東電はこの間、必要な設備の設置に取り組むのと同時に、運転していく社内の体制づくりをしてきた」

「(東電は)令和に入ってから様々な不祥事が続いて原子力規制庁の追加検査を受け、2024年3月に(当時の)経済産業相から(再稼働を)理解してほしい旨の要請が届いた。そこから後は県民の受け止めをしっかり探るプロセスを経て、1年半あまりの時間をかけて最終的に結論に至った。感想的に言えば、ずいぶん時間がかかった」

――県民の分断を避けたいと言ってきたが、今回の結果をみて避けられたと考えているか。

「そういう方法を選んだつもりだ」

――再稼働について一定の方向が出たが、今後についてはどのように考えているのか。

「一つの区切りではあるが、これが終わりではない。県民の安全・安心を確保する意味で、終わりはない。安全対策の周知はさらにやっていく話で、避難道路や避難所の整備もこれから本格化していく。ある意味で新しい段階の始まりとも捉えているので、しっかり着実に取り組んでいきたい」

――26年6月には任期満了を迎え、その前に知事選がある。

「それはまた、今後考える話だ」

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。