千代田化工建設は23日、天然水素の回収・精製設備の建設に向けて初期設計を検討すると発表した。鉄分を含むかんらん岩に独自の反応を与えて、大量の天然水素を地下から取り出す。再生可能エネルギー由来の電気でつくった水素などよりも安く回収・精製する考え。2030年の実用化を目指す。

天然水素生成増進技術(MSSH)の知見を持つ米スタートアップ、ジオキルン・エナジー・イノベーションと覚書を結び、初期設計を共同で検討する。ジオキルンは地下水素生成量のデータを提供する。千代田化工は地上設備の初期設計や商業性の試算に取り組む。

水素は燃焼時に二酸化炭素(CO2)を排出しない脱炭素燃料として期待されている。現在は再生エネ由来の電気で電気分解してつくったり、化石燃料からつくってその際に出るCO2を地下に埋めたりしているが、コストが高く普及に時間がかかっている。地中で岩石と水の反応などで発生する天然水素は「ホワイト水素」と呼ばれる。

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