政府が26日に閣議決定した2026年度予算案は、一般会計の歳出総額が122兆3092億円になった。注目予算はどんな内容となったのかを解説する。
経済産業省は再生可能エネルギー関連で、グリーントランスフォーメーション(GX)分野に6050億円を積んだ。工場などの大幅な省エネなどを後押しする補助金に840億円を計上した。
再エネの次世代技術開発や導入も進める。ペロブスカイト太陽電池の量産化支援などに497億円、洋上風力発電所の設置場所を排他的経済水域(EEZ)に拡大するための基礎調査に122億円を計上。製造コストが高い水素などの導入に向けた価格差支援には363億円を投じる。
「GX戦略地域」の公募開始に関連し、原発や再エネを100%活用する工場やデータセンターに投資する企業への補助として5年で計2100億円を確保した。26年度は400億円。
次世代原発では、高速炉などの実証炉開発を進めるために1220億円を投じる。立地自治体への電源立地地域対策交付金は25年度当初予算比17億円増の794億円とした。
環境省は、レアメタルやレアアースなどの希少金属の再資源化に25年度当初比1・6倍となる379億円を計上した。廃棄電子機器などの資源回収を通して供給網を強化し、メーカーが希少金属を安定確保できるようにする狙いがある。
電力需要が急増しているデータセンターの二酸化炭素(CO2)排出対策には9億円を計上。冷却技術などの開発・実証を進める。また、太陽光とCO2から人工的に燃料などを生み出す「人工光合成」を含むCCUS(CO2の回収・使用・貯留)技術の社会実装に26億円を盛り込んだ。
一方、クマ被害対策に過去最大の62億円を充てた。狩猟免許を持つ自治体職員「ガバメントハンター」の人件費のほか、情報通信技術やドローンを活用した個体数管理の技術開発や、国立公園内の電気柵設置を進める。【中島昭浩、大野友嘉】
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