
京都市動物園は、13歳になった雄のニシゴリラ「ゲンタロウ」が10月27日に上野動物園(東京都)へ移り、東山動植物園(名古屋市)から移る予定の12歳の雌「アニー」と繁殖を目指すと発表した。日本のニシゴリラは現在、2頭を含め6園に19頭しかいない。ワシントン条約で取引が特に厳重に規制され、海外の動物園からの迎え入れも難しいなか、血縁がない貴重なカップル候補という。
ゲンタロウは、京都市動物園生まれの母ゲンキ(39歳)と、上野動物園生まれの父モモタロウ(25歳)の第1子。いずれも日本生まれの両親から誕生した初めての子どもでもあった。ゲンキの母乳が十分でなかったため、人工哺育を経て無事に大きくなり、青年となった。雄は10歳前後で生まれ育った群れから独立するため、今年に入って両親とは異なる空間で暮らしている。
ゲンタロウが上野動物園へ移ると、京都市動物園が飼育するのはゲンキとモモタロウ、第2子のキンタロウ(6歳)の3頭になるが、ゲンキは第3子を妊娠中で、11月中下旬ごろの出産を予定している。上野動物園は11月以降、ゲンタロウとアニーを含め8頭を飼育することになる。
国内のニシゴリラはかつては50頭を数えた。遺伝的な多様性を保つため、京都市動物園では公益社団法人「日本動物園水族館協会(JAZA)」の管理計画のもと、共同で繁殖に取り組んでいる。ゲンキも、上野動物園に移って繁殖を目指した時期があった。2010年に上野から来園したモモタロウと良い関係を築き、子どもを授かっている。【南陽子】
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