
第一工業製薬は8日、細胞の3次元培養を簡便にするセルロース製品を開発したと発表した。平らな容器上での2次元培養とは異なり、細胞を立体的に培養するには溶液中に浮かばせる必要がある。今回開発したセルロースを培養液に加えると、セルロースが足場となって細胞を沈殿させずに培養できる。増殖した細胞を取り出しやすいのも特徴だ。
東京科学大学と協力して、分子サイズが小さいセルロース「セロオリゴ糖」の量産技術を確立した。グルコース(ブドウ糖)を特殊な酵素の働きで合成させて作る。新薬の研究に使うがん細胞の培養のほか、iPS細胞の培養といった再生治療分野での活用を目指す。試薬メーカーなどへの納入を想定している。
分子サイズが程よく小さいため、セロオリゴ糖を添加しても培養液の粘度が高まらず、ろ過膜を通すことで溶液中の培養した細胞を簡単に取り出せる。現在の3次元培養では動物由来のコラーゲンを添加することが多いが、動物由来のため人体への安全性の確保や品質が安定しにくいことが問題だった。動物由来ではないセロオリゴ糖は、コラーゲンの代替品となる。
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