大寒、立春、啓蟄(けいちつ)、穀雨……。古くは農作業の目安とされた「二十四節気」ごとに銭湯に通って、身も心も解放してほしい。そんな願いが込められたスタンプラリー「二十四節気湯めぐり」が、「湯道のまち」をうたう京都市内の銭湯で始まっている。

 そもそも「湯道」とは、日常生活の一コマである入浴を、茶道や華道のような「道」に昇華させようという考え方で、京都ゆかりの放送作家・小山薫堂氏が提唱した。「二十四節気湯めぐり」は、京都市と京都府公衆浴場業生活衛生同業組合(京都銭湯)が初めて取り組む企画だ。京都市内では77銭湯が組合に加盟している。

 参加者はまず、「二十四節気湯めぐり帖(ちょう)」を銭湯の番台で入手する。コースは2種類あり、湯めぐり帖の表面は「二十四節気コース」、裏面が「湯めぐりコース」となっている。

 二十四節気コースは、二十四節気ごとに銭湯に足を運んでステッカーをもらい、24枚集めれば達成だ。ステッカーは京都市在住の画家、山本太郎さんの描き下ろしで、二十四節気ごとに絵柄が変わる。例えば、「大寒」のステッカーは節分の豆まきが題材だが、投げるのは昔なつかしのアポロチョコやマーブルチョコ。鬼のお面もどこかうれしそうだ。一方、「立夏」のステッカーには、茶摘みの女性がペットボトルの緑茶で一息つく様子が描かれている、といった具合だ。

 もう一つの「湯めぐりコース」は、京都銭湯に加盟している京都市内の銭湯の制覇をめざす、上級者編だ。湯めぐり帖の裏面に銭湯名が印刷されており、スタンプをもらう仕組み。40銭湯、60銭湯、全銭湯……と、制覇した銭湯の数に応じて達成証をもらえる。

減少する銭湯 明るいきざしも

 府内の銭湯は、最盛期の昭和40年(1965年)代ごろには600軒ほどあったという。家風呂の普及とともに次第に減少し、老朽設備の更新には多額の費用がかかるため、ボイラーの故障などをきっかけに廃業を決める銭湯も多いという。

 一方、明るいきざしもある。サウナブームだ。東京や大阪などの銭湯ではサウナは別料金のところが多いが、京都では入浴料に含まれていることが多い。さらに、水風呂は年間を通して水温がほぼ一定の豊富な地下水に支えられている。旅行者やインバウンド(訪日外国人客)の訪問も増えているという。

 57年に開業した洛陽湯(京都市南区)を経営する明光嶺夫さん(42)は「冬の銭湯は体の芯からぽかぽか温まり、湯冷めしにくいです」とPRする。「二十四節気湯めぐりをきっかけに、銭湯とあまり縁のない若い世代にも銭湯の良さを知ってほしい。結婚して子どもができたら親子で銭湯に通ってもらえるよう、盛り上げたい」と話す。

 12月6日まで。改装工事などで一時的に休業する銭湯もあり、「京都銭湯」の公式サイトで営業状況を確認してから訪問を。

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