林会長は辞任について「まだまだやり残したことはあり痛恨の極みだ」と話した(16日、東京・千代田)

大手電力10社でつくる電気事業連合会は16日、林欣吾会長(中部電力社長)が同日付で会長を辞任すると発表した。林会長は「まだまだやり残したことはあり痛恨の極みだ」と話した。自身が社長を務める中部電力の浜岡原子力発電所(静岡県御前崎市)で地震の想定震動を過小評価していた問題を受け、原因の究明などに専念する。

――辞任を決断したタイミングは。

「(不正事案の対応には)パワーを割かれると痛感し、専念したいという気持ちがあった。一方で電事連としての責務もある。今日の今日まで悩み続けた。空席にすることにより影響はもちろんあるが、副会長から一番優先すべきことをしてほしいという意見ももらった」

――柏崎刈羽原発(新潟県)や泊原発(北海道)の再稼働など電事連が要望してきた事業がまさに動き出している時だ。

「まだまだやり残したことはたくさんある。地政学リスクが高まっており電力調達も不確実性が高くなっている。国内の政治情勢もまだまだこれから不透明で、その中で一貫したエネルギー政策を主張し、官と民と一緒に構築するべきことが山ほどある。その段階で退くことは痛恨の極みだ」

――中部電力の社長職についてはどうする考えか。

「社長として行為者の責任、当時のマネジメントとしての責任、今の経営者としての責任など色々ある。まずは事実がなんだったか背景や動機を踏まえて判断することになるだろう」

――2年弱の任期はどのようなものだったか。

「電力需要はこれまでシュリンク(縮小)していくマーケットだと言われていたが、日本を支えるために電気は価値のある財だと再評価された。逆に電力需要が伸びることでマーケットとしては活気づくが、何もしないと需給バランスが崩れるという危機感も抱いた2年だった」

――やり残した課題は。

「例えば日本原燃の再処理工場(六ケ所村)を少しでも前に進めることや(特定放射性廃棄物の)最終処分地の場所の選定を全国的な動きにしなくてはならない。システム改革でも長期の投資予見可能性を確保される制度を構築したり、ファイナンスの制度も導入したりやらなければならないことはたくさんある」

【関連記事】

  • ・電事連の林欣吾会長が16日辞任 中部電力浜岡原発の不正受け
  • ・浜岡原発の地震評価不正、電事連「事業の根幹揺るがしかねない」

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。