北海道鹿追町と帯広ガス(帯広市)、産業ガスメーカーのエア・ウォーター(大阪市)は、家畜ふん尿を原料にしたバイオメタンを都市ガスに利用するエネルギーの地産地消事業に取り組むと発表した。同町のガスプラントのバイオガスを活用し、2026年度中の供給開始を目指す。家畜ふん尿由来のバイオメタンを都市ガスに混入するのは国内初という。
地域資源の家畜ふん尿から得られるバイオガスを有効活用した脱炭素化事業。エア・ウォーターが鹿追町のバイオガスプラントで生成されるバイオガスからバイオメタンを製造し、帯広ガスが都市ガスに混入して帯広市内で供給する仕組みだ。
帯広ガスは一般家庭や企業などに年間3000万立方メートルの都市ガスを供給。うち初年度に0・1%をバイオメタンに置き換え、30年までに混入率を1%まで高める計画で、これにより年間670トンの二酸化炭素(CO2)が削減できると試算している。
実施に向け、事業に当たる3者は、鹿追町の未利用のバイオガス資源量の把握▽都市ガスのバイオメタン混入による品質や安全性などの検証▽CO2の削減効果――などの項目について共同検討を進める。
帯広ガス本社で14日にあった共同検討開始の調印式で、同社の内木真紀衣社長は「バイオメタンを都市ガスの一部として活用する取り組みは、脱炭素社会の実現に向けた重要なテーマ。3者でこの十勝モデルを力強く推進したい」と話した。
同町の喜井知己町長は「脱炭素へ少しでも貢献できるよう鹿追町として協力したい」とし、エア・ウォーターの西村浩和常務執行役員は「全国に先駆けたカーボンニュートラルなガス供給体制を作りたい」と述べた。
鹿追町は07年から家畜ふん尿によるバイオガスプラントで発電された電気を中心に、再生可能エネルギーの地域活用に力を入れている。現在はプラント2基が稼働中で、バイオガスの一層の多目的利用を目指し3基目も整備する方針だ。【鈴木斉】
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