
国内の新築住宅需要が減退している。国土交通省が30日に発表した2025年の新設住宅着工戸数は前の年に比べ7%減の74万667戸となり、過去61年間で最低となった。建設費の高騰や人口減少により、需要が回復する見通しは立たない。国内の住宅メーカーは海外進出やリフォーム事業への転換を迫られる。

1964年以降で過去最低の水準となった。住宅の利用関係別では持ち家と分譲住宅の減少幅が大きく、それぞれ約8%の減少となった。
野村総合研究所のシニアコンサルタント、大西直彌氏は「予想以上の減少だ」と話す。同社では25年6月時点で、25年度の着工戸数は85万戸となるとの予測値を発表していた。現状の推移から実績は予測値を下回るとみる。
建設費の高騰が主な要因だ。住宅を購入する30〜40代のニーズは中古物件などに流れる。大西氏は「家は新築が一番、というような新築神話は崩壊している」と指摘する。
ハウスメーカーなど事業者は方針転換を迫られる。
旭化成ホームズは海外の売上高を30年度ごろに24年度比7割増の5000億円まで伸ばす目標を掲げる。主な進出先である米国では分譲住宅のサブコン事業を手掛けており、26年度からは米テキサス州で自社の軀体(くたい)工場を稼働する。
既存住宅のリフォームを強化する動きも進む。ミサワホームは24年度の営業利益に占めるストック事業の割合が31%にまで伸び、新築事業の割合(24%)を上回った。11%だった20年度から5年間で大きく伸びた。
野村総合研究所は新設住宅着工戸数が40年度には61万戸に落ち込むと予測する。YKKAPは4月にも親会社であるYKKが買収したパナソニックホールディングス(HD)子会社、パナソニックハウジングソリューションズとの新体制に移行する。今後、同様の業界の再編が進むとみられる。
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