インターネットイニシアティブ(IIJ)は28日、NTTドコモとKDDIの回線に接続できるSIMカードを開発したと発表した。通信障害の発生時やエリアの電波強度に応じてどちらかの通信回線へ柔軟に接続できる。通信の安定性を確保できる上、導入にコストがかかりにくい。監視カメラや決済端末といった業務用機器向けに、2025年度内の提供開始を目指す。

開発したSIMカードは「マルチプロファイルSIM2.0」。1枚のSIMカードにNTTドコモとKDDIのプロファイル(携帯電話網に接続するための情報)を搭載する。通信障害が発生した際、機器がサーバーと通信ができない状況を検知してプロファイルを切り替えることで、もう一方の通信網に接続できる。

使っているSIMカードと置き換えるだけで予備回線を用意できるため、既存の機器をそのまま利用できる。複数のSIMカードが挿入できる通信機器に新たに変更する場合に比べ、コストを抑えられる利点がある。

1枚のSIMカードで複数の通信網に接続可能な方法では、他社の通信網に切り替える「ローミング(相互乗り入れ)」もあるが、ローミングを使う場合に比べてもコストを安くできる。

【関連記事】

  • ・IIJ、複数地点の温度を測定・管理サービス 熱中症対策に
  • ・IIJ、「脱PPAP」向け新サービス ファイル送信効率化
BUSINESS DAILY by NIKKEI

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。