3回目の延期となった再開発プロジェクトの予定地(28日、函館駅前)

北海道函館市の函館駅前東地区市街地再開発事業が1年以上遅れることになった。資材の高騰などにより総事業費が想定の176億円から大幅に増加するためで、延期は3回目。国と合計し70億円を補助する函館市の大泉潤市長は28日の定例記者会見で「市民の期待も大きく残念。今の計画をベースに収支がとれるよう工夫してほしい」と述べた。

計画では2019年に閉店した百貨店「棒二森屋(ぼうにもりや)」の跡地を再開発し、25階建てマンションやホテル、商業施設などを整備することになっている。延べ床面積は3万8240平方メートルを想定する。今年1月に再開発組合が発足。11月から解体工事を始め、29年5月に開業予定だった。

駅前再開発の再延期について見解を述べる北海道函館市の大泉潤市長(28日、函館市役所)

再開発組合は21日、市に事業費の増加による「抜本的な施設計画の見直しなどで、スケジュールが1年以上遅れる」と報告した。地方都市の再開発は過去に各地で破綻事例がある。近年は物価高騰により東京都内でも再開発が白紙になったケースがある。ただ、大泉市長はゼロベースでの見直しは否定し「駅前の顔でもある重要な場所。早期の事業着手、竣工に向けて組合と協力していく」と述べた。

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