
ソフトバンクは2日、顧客による迷惑行為「カスタマーハラスメント(カスハラ)」の被害を人工知能(AI)で減らすサービスを開始したと発表した。電話口での顧客の怒鳴り声を、内容を変えることなくAIで抑揚のない音声に自動変換する。対応にあたる従業員の負担を減らす狙いで、コールセンターなど数万社への導入を目指す。
音声変換サービス「SoftVoice(ソフトボイス)」を始めた。電話対応で怖さを感じた場合、オペレーターの手元で音声を変換できる。あらかじめ設定している数種類の話者の声に変換し、抑揚を小さくすることで受け手の恐怖を和らげる。実証実験では恐怖心を30%減らせたという。
激しい暴言の場合、相手に警告メッセージを送ることもできる。通話時のノイズ除去や通話の録音機能もつける。月額5万円(税別)で10アカウントまで利用可能で、以降1アカウント追加するごとに月5000円かかる。通話の音声はクラウドに送信せず、パソコンなどに専用ソフトウエアを入れる形でローカル上で処理する。
AIプラットフォーム開発本部の中谷敏之氏は「脳は怒鳴り声だけでなく、嫌みな声も攻撃信号として処理してしまう。AI変換で脳を常に安全モードに保つ」と語る。
厚生労働省の調査では、クレームへの対応で従業員の約90%が心身の不調を訴えた。2025年6月には企業にカスハラ対策を義務付けた改正労働施策総合推進法が成立し、26年内にも施行される見込み。企業の対策は急務となっている。
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