日本経済新聞社は2日、2025年の「日経優秀製品・サービス賞」の表彰式を東京都内のホテルで開いた。審査委員会が選んだ最優秀賞15点を含む36点を表彰した。生成AI(人工知能)でビジネスや暮らしを便利にするものや、先端技術を活用してグローバル市場での展開を見据えた製品・サービスが受賞した。

表彰式で小宮山宏審査委員長(三菱総合研究所理事長)が「今年は生成AIがイノベーションの中核となった」と話した。リコーの大規模言語モデルパッケージ「RICOH オンプレLLMスターターキット」を挙げ、「外部から遮断された環境で稼働し、高いセキュリティーを実現した」と評した。

受賞企業・団体の代表あいさつで、最優秀賞にAIソリューション群「HMAX」が選ばれた日立製作所の徳永俊昭社長は「高品質な社会インフラと、ものづくりの現場を持つ日本ならではの価値を世界に届ける」と述べた。
HMAXは鉄道車両にカメラやセンサーを取り付け、収集した設備のデータをAIで分析して保守メンテナンスに生かす。徳永社長は「長年磨き続けてきたプロダクトと社会インフラの制御技術、デジタル技術の3つを併せ持つ日立だからこそ生み出せる価値がある」と胸を張った。
工場や電力関連の設備など適用領域を広げており、徳永社長は「これまで培ってきた現場の知見と最先端のAIを掛け合わせることで、世界中の社会インフラを安定運用できる」と語った。

最優秀賞に選ばれたKDDIのスマートフォンと衛星の直接通信サービス「au Starlink Direct」は米スペースXの衛星通信網「スターリンク」を活用した。
電波が届きにくかった山間部や離島でも通信が可能になるほか、災害時の通信手段の確保にもつながる。利用者は足元で約300万人となる。auの通信の面積カバー率は国内の約60%だったが、スターリンクの活用で残る40%もカバーが可能になった。松田浩路社長は「日本全国どこにいても通信を届けられるようになり、『圏外ゼロ』に向けた大きな一歩を実現できた」と話した。
3月からは米国での利用も可能になる。日本全国に1000カ所規模のドローン拠点を設置し、災害時などに10分間で駆けつけられる体制づくりにも、スターリンクを活用する考えだ。

国産大規模言語モデル「PLaMo 2.0 Prime」が最優秀賞に選ばれたプリファードネットワークスの岡野原大輔氏は、25年11月に社長に就任したばかりだ。
創業以来、最高技術責任者(CTO)として同社の大規模言語モデル(LLM)開発を主導しており、「日本語性能や安全性、コストパフォーマンスの向上を日夜進めている」と語った。
LLMは生成AIのエンジンとされ、米中企業が世界をリードしている。国産LLMは経済安全保障上でも重要性が高まっている。岡野原社長は「信頼できる国産AIの開発を進め、社会の課題解決に貢献していきたい」と述べた。


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