ノバルティス日本法人と日本調剤グループは28日、血液がんである慢性骨髄性白血病(CML)患者への支援で連携すると発表した。ノバルティスのCML治療薬は予後を大きく改善する一方、副作用が課題だ。日本調剤はがんの専門知識を持った薬剤師が多い。両社の知見を生かし、患者のQOL(生活の質)向上を目指す。

9月から、日本調剤の20店舗で服薬状況のフォローなどの取り組みを始める。同社はがんに特化した「外来がん治療専門薬剤師」の認定薬剤師数が多い。まず10カ月間実施し、来年以降に結果を関連学会などで発表する。

ノバルティスはCMLに関する薬剤師向けの勉強会を企画するほか、専門医を紹介する。医師の意見も踏まえ、服薬をフォローするためのシートも日本調剤と連携して作成する。

ノバルティスは複数のCML治療薬を開発しており、がんを狙い撃ちする分子標的薬で予後が大幅に改善された。同社によるとCML患者の10年後の生存率は約9割だ。だが薬による副作用は課題で、患者が困りごとを診察で医師に伝えられないことも多いという。

CMLの患者会が2021年に患者約500人に実施した調査によると、42%の患者が「服薬中止を考えたことがある」と回答した。中止を考えた理由としては副作用が61%と最多だった。

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