
国際原子力機関(IAEA)は6日、日本の原子力規制委員会の体制検証を終え、評価報告書の概要を公表した。規制委の事務局を担う原子力規制庁の職員が経済産業省など原子力の推進組織や企業に異動できないルールを緩和し、人材の流動性を高めるよう提案した。
IAEAの評価チームでリーダーを務めたフィンランド放射線・原子力安全庁のティッパナ長官は記者会見で「規制委と政府は人材確保に影響しうる制約について検討する必要がある。他国では(人事異動に)一定の期間を空けることで対応している例もある」と指摘した。
2011年に起きた東京電力福島第1原子力発電所の事故の反省から、日本では規制と推進の分離を明確にするための「ノーリターンルール」を取り入れた。規制庁の職員は経産省や文部科学省などに異動できない。

会見に同席した規制委の山中伸介委員長は「すぐに推進側や事業者との人事交流を始めるつもりはない。国民の信頼が十分に得られているかを見極めながら検討したい」と述べた。
報告書では規制委による原発の安全審査について、項目に応じてメリハリをつけることも提起した。ティッパナ氏は「例えば自然災害の審査にかかる時間が長い。安全上の重要度に基づいた段階的なアプローチが必要だ」と語った。日本の原子力規制全般に関しては「これまで見た中で、最も独立性と透明性が高い」と評価した。
IAEAは加盟国の要望に応じ、おおむね10年に1度のペースで各国の安全規制体制を検証している。総合規制評価サービス(IRRS)と呼ぶ。今回は1月26日から2週間ほどかけ、関係者へのヒアリングや原発などの現地視察をした。16年の前回検証後は、抜き打ちで原発を検査できる制度を導入した。
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