ボイットはインカムでの会話をAIで分析してチャット形式で自動記録などができるソフトを展示した

デンソーは10日、同社と取引が多い仕入れ先の協力会「飛翔会」やスタートアップの技術展示会を開いた。ソフトウエア定義車両(SDV)などクルマの開発競争が次世代に移っていく中で、これまで培ったもの作りの技術や先端技術を掛け合わせてグループとしての競争力強化や新規市場開拓などにつなげることを狙う。

刈谷市のデンソー本社で2日間開催する。「飛翔会」は加工や設備、金型を手掛ける地元企業を中心とする93社で構成される。今回の展示会では会員企業の57社と、三菱UFJ銀行の協力を得てスタートアップ33社が出展した。新興企業と展示会を開くのはデンソーとして初めてという。

「自動車業界のコア技術、業界を超えた新たな知見・技術を掛け合わせる場になればと思っている」。デンソーの海老原次郎経営役員はこう意気込んだ。展示会ではデンソーの仕入れ先が自社の課題を提示し、新興企業からの提案や協業を募る「リバースピッチ」も実施した。2日間で約4000人の来場を見込む。

飛翔会の会長を務めるジーエスエレテック(愛知県豊田市)の鈴木城司社長は「ロボットを活用した自動化に取り組んでいる。どこかいい技術を持っているところがないか、いい機会があれば」と期待を込めた。

ワイヤハーネス(組み電線)など車の電装部品を手掛ける同社は、航空宇宙分野での使用を想定した開発品を展示し新規開拓を狙う。精密部品を手掛ける松尾製作所(愛知県大府市)はモーターを制御するセンサーの「レゾルバ」を展示した。同製品を医療向けにも応用できるとみる。

スタートアップでは人工知能(AI)関連の展示が目立った。ボイット(東京都渋谷区)はインカムやカメラをスマートフォンなどと連携してチャット形式で会話を記録したり、ビデオ通話ができたりするソフトを展示した。永富泰高社長は口頭で帳票入力もできるといった機能が「非常に刺さっている」と話す。製造業の多い中部で取引拡大につなげていきたい考えだ。

トヨタグループは完成車メーカーを頂点として、部品や材料など様々な仕入れ先とサプライチェーン(供給網)を築く。トヨタもスタートアップがトヨタや取引先に技術を売り込む展示会などを開催しており、交流が活発になっている。

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