厚生労働省の医薬品第一部会(29日、厚労省)

厚生労働省の専門部会は29日、アステラス製薬の眼疾患治療薬「アイザベイ」の承認を了承した。目の網膜に病変が生じ、視力低下や失明をもたらす加齢黄斑変性のうち萎縮型と呼ぶタイプの初の治療薬となる。早期の診断と治療によって悪化を防ぐ。

3週間以内をメドに福岡資麿厚労相が承認する。中央社会保険医療協議会(厚労相の諮問機関)が公定価格である薬価を決めた後に発売される。

症状が重く有効な治療法のない患者数が少ない病気などを対象に、発売後に必要な試験をすることを条件に製造販売を認める「条件付き承認」の枠組みを活用した。

網膜は眼球の内側の壁にある薄い膜で、光を感じ取る。加齢黄斑変性は網膜の中心にある黄斑に病変ができる。網膜周辺に異常な血管ができる滲出(しんしゅつ)型と、網膜の一部が徐々に縮む萎縮型がある。日本人は滲出型が多く、萎縮型は1割程度とみられる。

治療は最初の1年は月1回、それ以降は2カ月に1回、白目に注射で薬液を入れる。病変の広がりを抑える効果が確認されている。

加齢黄斑変性は50歳以上の1.2%(80人に1人)以上に見られ、加齢に伴い増える。日本では成人の失明原因4位となっている。これまで萎縮型に有効な治療法がなかった。

日本大学の森隆三郎診療教授(眼科)は「治療薬の登場により、病変が中心部分に及ばないようにして視力の低下を抑えられる期待がある」と話す。

加齢黄斑変性は欧米では成人の主要な失明原因とされ、萎縮型が多い。同薬は米国では23年9月に発売された。

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