三菱ガス化学は20日、市況悪化などの理由で一時中断していた欧州の化学品プラント建設について、正式に中止を決めて撤去すると発表した。他社との協業の可能性などを模索してきたが、経済性が見込めなかった。

対象はオランダ子会社のMGCスペシャリティー・ケミカルズ・ネーデルラントで建設していたプラント。「メタキシレンジアミン」という、塗料に混ぜる硬化剤などに使う化学品をつくる予定だった。この化学品はつり橋や船舶、洋上風車など、過酷な気象条件のもとで使うインフラや設備向けに使われる。

工事再開や他社との協業などを検討してきたが「設備を完工の上、メタキシレンジアミンの生産・販売を行ったとしても、十分な経済性を見込むことは困難」(同社)と結論づけた。今後は2027年ごろから撤去に着手し、29年中の撤去完了を予定する。

既に26年3月期の連結決算において、同プラント関連で534億円の減損損失を計上すると発表している。この金額は第3四半期(25年4〜12月)時点のもので、第4四半期分(26年1〜3月分)が加わる可能性がある。27年3月期以降には建設工事中止により設備撤去費や契約関係の処理などの費用を計上する見込み。

当初は24年7月に生産を始め、年産能力は2万5000トンを予定していた。しかし工事業者の切り替えなどで工期が遅延したうえ、ロシアによるウクライナ侵略の継続でインフラ投資が低調となるなど事業環境が悪化していた。

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