日本のものづくりを支える金型業界が岐路に立っています。日本経済新聞社は「金型業界に関するアンケート」(金型調査、222社集計)を通じ、自動車産業の変化に伴う需要減少の実態や、原材料費などの価格転嫁が道半ばである現状を明らかにしました。一方で取材の現場では、信念を持って前に進もうとする多くの経営者に出会いました。金型の「シン時代」を切り開く企業の挑戦を、まとめ読みでお届けします。
われら金型「シン世代」 30代経営者が挑む、町工場からの脱皮

静岡県磐田市にある自動車向け金型企業、小出製作所。3階建て社屋の一室で、10人ほどの若手社員に総務担当の役員が問いかける。「4つの工程がある現場で、あなたは2工程目を担当している。今の仕事のペースだと顧客への納期に2週間遅れてしまいそうだ。どうしますか」。金型の技術ではなく社会人としての振る舞いを教えるこの研修は、36歳の小出良悟社長が発案した。…記事を読む
金型業界「海外なんて無理」と決別 AIが縮める世界との距離

2024年10月に米シリコンバレーで開かれた、プリント基板技術の展示会。大阪府東大阪市のプレス加工会社、サンコー技研の田中敬社長は来場者の名札を見て息をのんだ。テスラ、スペースX、アマゾン・ウェブ・サービス(AWS)……。名だたる米テクノロジー企業の技術者たちがブースの前で足を止める。必死に説明していると、こう声をかけられた。「面白いね、明日オフィスに来られるかい」…記事を読む
さよなら「相見積もり」 金型、脱・下請けへ安値受注から距離

神奈川県小田原市にある金型企業、シンセイの工場。修繕待ちの金型の脇に置いたコンテナから、杉本雅道社長が手のひら大のパーツを取り出した。複数の溝をつけた灰色の金属に、黄金色のブロックが埋め込んである。「これを育てたいんです」と杉本社長は言う。不良品の削減につながるこのパーツの自社開発に挑んだのは、金型業界のある慣行から抜け出すためだ。…記事を読む
味噌汁の冷めない距離でM&A 金型内製へ、鋳物部品メーカーが買収

早すぎる旅立ちだった。2025年1月、鋳物部品を手掛けるセンシュー(大阪府岸和田市)の川上将範社長のもとに、金型の調達先の一社である宮本製作所(同)の代表の訃報が届いた。まだ61歳だった。およそ半年後、センシューは宮本製作所を子会社化し、工場設備と12人の従業員を引き継ぐ。「もし会社を買ってもらえるんだったら」。故人の妹からの相談がきっかけだった。…記事を読む
金型工場にもタイミー 職人不足、「仕事の分解」で生む新戦力

埼玉県三郷市でゴム金型を手掛ける、佐藤製型。年季の入った工場の入り口に、水色の真新しいロッカーが2つ並ぶ。使うのはベテランの設計者や加工職人ではない。スポットワーク仲介を通じて隙間時間に働くためにやって来る「タイミーさん」だ。職人の仕事場らしからぬ試みの背景には「金型づくりこそ、誰でもできる仕事に」という佐藤広美社長の問題意識がある。…記事を読む
「前向きな再編、今こそ」 日本金型工業会の山中会長に聞く

原材料の高騰、クルマの電動化、人材難――。逆風が重なるなかで、金型企業が反転攻勢に出るためには何が必要か。日本金型工業会(東京・文京)の山中雅仁会長(ヤマナカゴーキン社長)は「営業力の強化」や「認知度向上」の重要性を挙げ、「商品力の向上」や「前向きな再編」に活路があると説く。…記事を読む
【「金型調査」記事はこちら】
- ・「下請け」慣行が改善、メーカーと価格交渉しやすく 金型8割で値上げ
- ・金型企業4割受注減、脱クルマ依存が急務 「同業と提携」に3割意欲
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