連携協定を結んだ香川県三豊市の山下昭史市長(左から3人目)と「ANAあきんど」の原雄三社長(同4人目)ら=三豊市で2025年8月27日午前11時16分、佐々木雅彦撮影

 「父母(ちちぶ)ケ浜」など自然が織りなす観光スポットが数多くある香川県三豊市は、地域創生を手がけるANAグループの会社「ANAあきんど」(東京都)と連携協定を結んだ。同市の生物多様性や自然環境を守り、人材交流などに取り組むことで地域活性化を目指す。同社が自治体と連携協定を結ぶのは全国で14番目だが、生物多様性を中心に据えたのは初めて。

 父母ケ浜は、干潟の潮だまりの水面に、夕日や人物が鏡のように映ることから「インスタ映え」スポットとして、一大観光地になっている。また、山頂から瀬戸内海が一望できる紫雲出山(しうでやま)は桜の絶景スポットとして有名だ。

 さらに、父母ケ浜では、香川県レッドデータブックで準絶滅危惧種に指定されるカニ「ハクセンシオマネキ」など、さまざまな希少動植物が観察されている。宝山(ほうざん)湖公園もヒガンバナの群生地として知られるなど、市内各地に生物多様性の宝庫と言えるエリアが広がる。

 協定には、生物多様性や環境の保全のほかに、観光や産業の振興にも連携して取り組んでいくことも盛り込まれた。

 調印した同市の山下昭史市長は、今後の展開として「例えば、父母ケ浜の環境を学ぶグリーンツーリズムの実施」を挙げ、「我々が守り続けてきた自然の素晴らしさを、世界に広がるANAグループのネットワークを活用して次世代につなぎ、国内外にアピールしていきたい」と語った。

 同社の原雄三社長も「三豊の素晴らしさはまだ十分には知れ渡っていない。三豊ならではの価値を地元の人たちと共有し、一緒になって持続的に活性化に取り組みたい」と話した。【佐々木雅彦】

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