日本工作機械工業会(日工会、東京・港)が25日に発表した2月の工作機械受注額(確報値)は前年同月比24%増の1467億円だった。国内で半導体関連の受注が増えたほか、北米向けも旺盛な需要が続いた。一方、中東情勢をめぐる不透明感が投資意欲に冷や水を浴びせるとの懸念も広がっている。

国内受注は10%増の371億円で、2カ月連続のプラスとなった。半導体製造装置の需要が増えているのに伴い、装置向けの部品を手がける企業からの注文が増えた。海外向けは30%増の1095億円。北米でエネルギーや航空業界の需要が旺盛だったほか、中国でも人工知能(AI)や半導体関連の投資が続いた。

2月末に始まった米国・イスラエルとイランの軍事衝突について、芝浦機械の広報担当者は「今のところ受注への影響は出ていない」とする。日工会の統計に占める中東向けの輸出は1%に満たず、直接的な影響は大きくない。国内の顧客でも半導体装置向けを中心に「(部品加工の)仕事があるため、投資意欲は続いている」(商社幹部)。

一方、中東情勢の混乱が長期化することへの懸念も漏れる。オークマ営業本部営業部の前川久好部長は「電気代などが上がり始めると(投資意欲への)影響が出てくるだろう」と話した。工作機械メーカーも「樹脂系の部材や塗料、シンナーなどを中心に価格高騰や調達難の影響を受ける可能性がある」(芝浦機械)とする。

工作機械受注は景気の先行指標とされ、2020年には新型コロナウイルスの世界的な流行を受けて受注が急減した。22年2月に始まったロシアによるウクライナ侵略では、エネルギー価格の高騰や侵略の長期化を受けて欧州の顧客を中心に投資を控える動きが広がった。

日工会の担当者は「(中東情勢について)漠然とした警戒感があるのは事実。長期化すれば受注にも影響を及ぼす」と話す。通常であれば国内向けを中心に「年度末」の需要が膨らむ3月の受注動向が焦点となる。

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BUSINESS DAILY by NIKKEI

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