家具・日用品販売大手のニトリホールディングスの似鳥昭雄会長(82)が今月、「発達障害の私だからこそ、成功できた」と題した書籍を出版した。
幼少期は勉強についていけず、就職先も半年でクビになるなど、苦難の道を歩んできた似鳥氏。だが、ニトリ創業後は好奇心や発想力といった特性を発揮し、国内外に約1060店舗を構える巨大チェーンを築いていった。
2月に毎日新聞の取材に応じた似鳥氏によると「人と違う」と感じるようになったのは小学生の頃。先生の話をじっと聞いていられず、記憶も苦手だった。
大学卒業後に就職した会社では広告の営業を任されたが、取引先と雑談もままならず、1件の契約も取れぬまま解雇された。その後の就職活動で回った約10社からことごとく断られ、「どん底だった」と当時を振り返る。
だが、23歳の時に札幌市内で「似鳥家具店」を創業したことで風向きが変わる。27歳で米国を訪れると、現地のショッピングセンターで安く多様な家具が並ぶ光景を目の当たりにし、「日本でも実現したい」と決意した。
「人の2倍、3倍旺盛な好奇心が『やってみよう』という積極性につながった。マイナスなことは考えないし、あってもプラスにすればいいんだから」
豊かな発想力も生かしながら、消費者が求める商品を次々に生み出していった。
70歳を過ぎてから「忘れ物が多い」「じっとしていられない」「いろいろな思考が駆け巡る」といった発達障害の特性が自身に当てはまることに気付いた。
その後、医師から注意欠如・多動症(ADHD)だと告げられたという似鳥氏は、個性を発揮して歩んできた道を振り返り、「発達障害に生まれてよかった」と語る。【森原彩子】
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