取引先の従業員に無償で商品陳列作業などをさせたのは独占禁止法違反(優越的地位の乱用)の疑いがあるとして、公正取引委員会は2日、総合ディスカウントストアを展開する「三角商事」(福岡市)に対し、同法の確約手続きを適用した。取引先約440社に不利益分相当額の計約4300万円を支払い、再発防止を「確約」する自主改善計画を認定した。
三角商事のホームページによると、同社は福岡県内でディスカウントストア「ルミエール」を23店舗展開し、2025年4月期の売上高は624億円。
公取委によると、同社は遅くとも21年1月ごろ以降、季節の変わり目などに実施する店頭商品の入れ替えや既存店舗の改装に際し、卸売業者や商品メーカーなど取引先の従業員に、商品の陳列や補充などの作業をさせていた。
同社の仕入れ担当者(バイヤー)が普段から付き合いのある取引先の担当者らにメールや口頭で「1カ月後に店舗を改装する」などと伝えることで、23店舗に延べ8000人以上を無償で派遣させていた。
一方、派遣を要請された取引先は、同社への取引依存度が高かったり、同程度の売り上げを確保できる別の納入先を見つけるのが困難だったりした事情から要請を断れなかった。同社が社員を休暇にし、代わりに取引先の従業員に作業をさせたこともあったという。
公取委の担当者は「自社のコストカットなどを図るために立場の弱い取引先にしわ寄せがいく、典型的な『あしき商慣習』の事案」と指摘。「社会全体で取引適正化の機運を醸成し、コストカット重視のデフレ型から、付加価値を重視する成長型の経済へと移行するためにも、引き続き同種事案を注視する」としている。
確約手続きは公取委と事業者との合意によって問題行為の解決を図る独禁法の行政処分の一つで、適用した場合に事業者は法令違反の認定を免れる。【山田豊】
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