
伊藤園が1日発表した2025年5〜7月期の連結決算は、純利益が前年同期比29%増の57億円だった。海外で主力の茶系飲料「お〜いお茶」が伸びた。米国でコーヒー販売が回復したことも寄与した。
売上高は5%増の1308億円、営業利益は17%増の83億円だった。海外事業の営業利益が31%増と大幅に伸びた。北米や東南アジア諸国連合(ASEAN)などで、「お〜いお茶」シリーズの飲料販売が12%増、ティーバッグは60%増えた。米大リーグの大谷翔平選手などの広告起用により海外でも認知度が向上したほか、日本食文化の人気拡大も追い風になった。

米国のコーヒー事業も回復した。主要顧客との取引停止でコーヒー豆の販売が落ち込んでいたが、タリーズコーヒーなどグループ会社に卸すことで収益性が改善した。
国内向けを担う伊藤園単独ベースの飲料販売数量は1%増だった。猛暑により麦茶などの販売が伸びたほか、大谷選手の広告効果もあった。
伊藤園単独の売上高総利益率(粗利率)は33.4%と0.5ポイント低下した。コーヒー豆や野菜果汁などの原材料やペットボトル容器など資材の価格が高騰しているほか、販促費も増えている。他社との競争激化に伴いリベート(販売奨励金)も増加した。
タリーズコーヒーの営業利益は11%減の9億円だった。新規出店に伴い、人件費や賃借料などが増加した。
26年4月期通期の業績予想は据え置いた。売上高は前期比4%増の4900億円、純利益は13%増の160億円を見込む。
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