
ミニストップは1日、店内で調理した一部商品の消費期限を偽って販売していた問題で、新たに埼玉県と福岡県の2店舗で同様の偽装を確認したと発表した。これで不正は7都府県の計25店舗に拡大。東京都内で記者会見した堀田昌嗣社長は「食の安全・安心を守り、正直な商売を実践することへの認識が甘かったことを猛省する」と謝罪した。親会社のイオンは、厨房(ちゅうぼう)内にカメラを設置するなどの再発防止策を公表した。
ミニストップは8月18日、店内で調理した「手作りおにぎり」などについて、製造後すぐに消費期限のラベルを貼らず、2~3時間ずらしたり、一度売り場に並べた商品に再度期限を延長したラベルを貼ったりする行為が確認されたと公表。店内調理場がある全1786店舗で手作りおにぎりと弁当、総菜の販売を中止した。
同29日までに完了した全店調査の結果、新たに2店舗で不正が発覚したほか、一部店舗では3年前から偽装が行われていたことが判明。消費期限は最大14時間引き延ばされていた。購入した客から体調不良の申し出が2件あったが、直接的な原因かどうかは不明という。

不正の背景には、食品ロスへの懸念や人手不足による作り置きの常態化などがあるという。堀田社長は「複数店舗を経営するオーナーが増えたことで、目が行き届かなかったケースも多い。本部が教育や指導ができていなかったことは反省すべきだ」と述べたが、本部の指示は否定した。
再発防止策として、厨房内カメラのほか、社長直轄の品質管理専任担当者を新たに配置▽「厨房110番」を新設して内部通報体制を強化▽第三者機関による衛生調査の評価基準も厳格化――などを挙げた。
ただ、店内調理品の販売再開時期のめどは立っていない。堀田社長は「安全が担保できないと、店によっては再開できない」と述べた。【佐久間一輝】
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