記念撮影に応じる(左から)イトーヨーカ堂の山本哲也社長、ヨーク・ホールディングスの石橋誠一郎社長、ベインキャピタル・ジャパンの西直史日本プライベート・エクイティ共同責任者=東京都葛飾区で2025年9月3日、佐久間一輝撮影

 大手スーパーのイトーヨーカ堂などを運営するヨーク・ホールディングス(HD)は3日、東京都内で戦略説明会を開いた。スーパー事業の業績低迷により、セブン&アイHDから米投資ファンドのベインキャピタル傘下に入って初の記者会見で、石橋誠一郎社長はベインのバックアップを通じたスーパーの食品事業強化などを打ち出した。

 ヨークHDはセブン&アイの祖業であるヨーカ堂を主軸に、東北地方地盤のスーパーのヨークベニマル、雑貨店のロフト、ベビー用品の赤ちゃん本舗、ファミリーレストランのデニーズ運営会社など約30社を束ねる。

 スーパー事業は他社との競合で苦戦が続き、特にヨーカ堂は地方店舗の閉鎖や不採算事業の撤退を進めてきた。今後の立て直しについて、石橋社長は立地が良い既存店の改装とともに「食品スーパー事業を明確に強化する」と表明。専門店事業では、グループ企業の商業施設以外にも積極的に出店していく。

 ベインの西直史氏は「既存店をより魅力的にしていくのが第一ステップ。制約なく投資していく」と述べ、数千億円規模の投資を進める方針を示した。

 セブン&アイは1日、ヨークHD株式の60%をベインに売却した。株式保有はセブン&アイが35・07%、創業家が4・93%となったが、商品戦略など協業関係は維持するとしていた。【佐久間一輝】

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