
キリンホールディングス(HD)は9日、電流を流すと食べ物の塩味やうまみを実際よりも強く感じられる食器「エレキソルト カップ」を発売したと発表した。2024年に発売した「エレキソルト スプーン」もリニューアルした。健康志向が高まるなか、減塩料理を楽しみたい需要に応える。
公式のオンラインストアで販売を同日始めた。価格はカップが2万6950円、スプーンは2万4750円。生活用品などを扱うハンズや家電量販のビックカメラなどでも、11月から取り扱う。
エレキソルトは特殊な波形の電流を流すことで食品や唾液に含まれるナトリウムイオンを舌にある味覚の受容体に集め、減塩食品の塩味を5割強く感じられる仕組み。カップは微弱な電流が口につけてから約2秒間流れ、塩味やうまみを感じるという。塩味の強弱は3段階で選べる。
スプーンも改良し、第1弾の商品と比べ電流の流れが安定した。先端が小型になり、食洗機で洗うことも可能になった。新食器の開発には美容健康機器を手がけるヤーマンの小型化設計技術や防水設計技術などの知見も応用した。
26年からアジアで展開も検討しており、30年には事業売上高で数十億円を目指す。キリンHDの吉村透留取締役常務執行役員は「自社の強みと社内外のイノベーションを掛け合わせて、新たな健康価値の創出につなげる」と語った。
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