
セブン―イレブン・ジャパンは9日、店舗業務の負担を軽減する省人化ロボットや遠隔接客システムを試験導入した。業務効率化で店員の作業を減らし、新たなサービス創出など魅力的な売り場づくりに対応できるようにする狙いだ。
この日、報道陣に公開されたのは、ペットボトル飲料や缶入りの酒を商品棚に補充する自走式ロボット。バックヤードで無作為に並んだ在庫の中から特定の商品を見つけてアームでつかみ取り、必要な本数を棚に並べる。窓や床を自動で掃除するロボットも備えた。
遠隔接客システムは、レジに設置した端末の画面に映る従業員のアバター(分身)が、客に多言語で応対する。遠隔地から複数店舗の接客を同時にこなし、深夜帯などにレジに立つ店員の負担を減らして品出しなどに集中してもらう。
セブンの竹井浩樹オペレーション本部長は「新しい商品やサービスを通じて売り上げを伸ばすことで成長してきたが、物価高や賃金上昇などもあり、売り上げだけでは対応しきれなくなっている」と指摘する。
セブンは、できたてのパンやドーナツなどを扱う「セブンカフェベーカリー」をはじめ、粗利益率の高いレジ周りのカウンター商品を拡充する方針。それに伴う店舗業務の増加への対応が課題となっている。

省人化ロボットなどの導入で、1日当たり作業人員の3割削減を見込む。「フランチャイズチェーン加盟店の経営にとって価値あるものを提案したい」(竹井氏)とし、効果を検証しつつ、既存店での活用拡大を検討している。
コンビニ業界の省人化を巡っては、ローソンが2022年からアバター接客を導入し、28店舗で実証実験中。オペレーター約80人が遠隔で複数店舗の接客をし、深夜帯は海外在住の従業員も接客している。7月には店内厨房(ちゅうぼう)の生産性向上へ、チャーハンなどを自動で炒める調理ロボットを導入した。
ファミリーマートは、多機能型の床清掃ロボットを導入。人の手で約1時間かかる清掃を代行するほか、小型モニターで商品情報を告知したり、商品を載せて運んだりする。26年以降に全国で1000台の導入を目指す。今後は人工知能(AI)カメラを搭載し、売り場の状況に合わせた商品整理などに生かす考えだ。【佐久間一輝】
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