再生医療スタートアップのHeartseed(ハートシード)は11日、日本ライフラインと心不全の治療法の開発で業務提携したと発表した。同社が開発するカテーテルを使い、患者の心臓に治療用の細胞を移植する臨床試験(治験)を2026年にも国内で始める。現在治験中の治療法よりも体の負担を抑えられ、より多くの患者を治療できると見込む。

提携の開始時期は明らかにしていない。日本ライフラインは不整脈の診断や治療に使うカテーテルの製造販売を手がける。同社がハートシードの治験向けに開発するカテーテルは、心臓内部の構造を3次元的に表示できる機能を持つ。細胞を移植する部分にカテーテルの先端が届いたかも確認できる。医師が心臓の狙った位置へ細胞を確実に移植するのに役立つとみている。

ハートシードはiPS細胞由来の心筋細胞を使った心不全の治療法を開発する。現在治験中の治療法は患者の胸部を手術で開いて細胞を移植する仕組みで体の負担が大きい。

日本ライフラインと取り組む新しい治療法では体にカテーテルを通すための小さな穴を開ければ済み、負担を抑えられる。25年内にも当局に治験届を提出し、26年にも国内で治験を始める。

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BUSINESS DAILY by NIKKEI

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