三菱ガス化学は17日、オランダで硬化剤などに使う化学品をつくるため建設中だったプラントの工事を一時中断すると発表した。工期遅延や、ロシアのウクライナ侵略による建設費の高騰、市場環境の変化などを理由としている。
欧州は同化学品の最大市場で三菱ガス化学も進出を図っていたが、事業として成立が困難と判断した。事業の完全中止や再開など、今後の対応については検討を続ける。
対象となるのは、オランダ子会社のMGCスペシャリティー・ケミカルズ・ネーデルラントで建設していたプラント。「メタキシレンジアミン」という、塗料に混ぜる硬化剤などに使う化学品をつくる予定だった。この化学品はつり橋や船舶、洋上風車など、過酷な気象条件のもとで使うインフラや設備向けに使われる。
当初は2024年7月に生産を始め、年産能力は2万5000トンを予定していた。しかし工事業者の切り替えなどで工期が遅延したうえ、ロシアによるウクライナ侵略の継続でインフラ投資が低調となるなど事業環境が悪化していた。
26年3月期の連結業績への影響については現在精査中で、公表する必要がある事項が発生すれば発表するとしている。
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