
【NQNニューヨーク=横内理恵】24日の米株式市場でダウ工業株30種平均は続落し、前日比171ドル50セント(0.37%)安の4万6121ドル28セントで終えた。主要株価指数が過去最高値圏で推移するなか、ハイテク株などを中心に利益確定売りが出た。
米株式相場は米利下げ期待や企業業績の改善を手がかりに上昇が続き、主要3指数は22日にそろって最高値を更新していた。高値警戒感などが意識されるなか、24日は「特に買いを誘う材料がなかった」(シーミス・トレーディングのジョゼフ・サルッジ氏)という。ダウ平均は朝方に上げる場面があったが、次第に下げに転じた。ハイテク株の一角が売られ、相場の重荷となった。
ダウ平均の構成銘柄ではないが半導体メモリーのマイクロン・テクノロジーが2.8%下げた。23日夕に発表した四半期決算や見通しは市場予想を上回ったものの、業績期待で決算発表前に上げていたため、材料出尽くし感から売られた。24日の米証券取引委員会(SEC)への届け出で、社債発行が明らかになったオラクルも下げた。報道によると約150億ドルを調達するという。
25日発表の週間の米新規失業保険申請件数や26日の8月の米個人消費支出(PCE)物価指数などを見極めたい投資家も多かった。米連邦議会が10月1日に始まる新会計年度に入った後も政府運営を続けるための「つなぎ予算案」を9月30日までに可決できなければ、米政府機関の一部閉鎖につながるとの懸念も投資家心理の重荷だった。
ダウ平均の構成銘柄ではアムジェンやIBM、ゴールドマン・サックスが安い。アップルやエヌビディアも下げた。一方、ユナイテッドヘルス・グループやシェブロン、ウォルト・ディズニーが買われた。
ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は続落した。前日比75.619ポイント(0.33%)安の2万2497.855(速報値)で終えた。アナリストが投資判断を引き下げたデザインソフトウエアのアドビが安い。データ分析プラットフォームのパランティア・テクノロジーズも下げた。
一方、テスラが買われた。取締役会が今月示した巨額の報酬案に関連して、イーロン・マスク最高経営責任者(CEO)がX(旧ツイッター)でテスラ経営の長期継続への意欲を示すと受け取れる投稿をしたことが材料視された。
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