
【NQNニューヨーク=矢内純一】9月30日の米株式市場でダウ工業株30種平均は3日続伸した。前日比81ドル82セント(0.17%)高の4万6397ドル89セントで終え、22日以来の最高値更新となった。製薬株の上昇が目立ち、指数を押し上げた。半面、政府機関の一部閉鎖に対する懸念は投資家心理の重荷だった。
ダウ平均の構成銘柄ではないが、製薬のファイザーが6.8%上昇した。トランプ米大統領は30日、米国内の薬価引き下げで合意したと発表した。同社は米国での投資計画を公表し、当面は輸入関税の対象にならないことが好感された。
米政府は他の製薬会社とも協議している。ファイザーと同じような合意に達するとの思惑から、ダウ平均の構成銘柄ではメルクやアムジェン、ジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)に買いが入った。
ダウ平均は安く推移する場面があった。米国では10月から始まる新しい会計年度の歳出をまかなう「つなぎ予算」が成立するめどが立っていない。政府機関が一部閉鎖に陥れば、一時的な経済活動の混乱が予想されるほか、経済指標の発表が遅れる可能性がある。積極的に買いを入れる雰囲気に乏しかった。
30日発表の9月の米消費者信頼感指数は94.2と、前月改定値から3.6ポイント低下し、ダウ・ジョーンズ通信がまとめた市場予想(96.0)を下回った。消費者心理の悪化は相場の重荷だった。
そのほかのダウ平均の構成銘柄では、アナリストが目標株価を引き上げたエヌビディアが上昇した。ベライゾン・コミュニケーションズやIBM、キャタピラーにも買いが入った。半面、セールスフォースやアメリカン・エキスプレス、ゴールドマン・サックスが下落した。
ダウ平均は月間で853ドル(1.8%)高となり、5カ月連続で上昇した。
ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は3日続伸した。前日比68.855ポイント(0.30%)高の2万2660.009(速報値)で終えた。データ分析プラットフォームのパランティア・テクノロジーズや半導体のブロードコムが上昇した。
ナスダック総合は月間で5.6%高となり、6カ月続けて上昇した。6カ月連続の上昇は2020年11月〜21年4月以来。
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