
【NQNニューヨーク=矢内純一】11日の米株式市場でダウ工業株30種平均は3日続伸している。15時現在は前日比565ドル10セント高の4万7933ドル73セントで推移し、10月28日に付けた最高値(4万7706ドル)を上回っている。米政府機関の再開に向け前進していることが相場を支えている。
米連邦議会上院は10日に政府機関の一部閉鎖解除に向けたつなぎ予算案を可決した。つなぎ予算案は早ければ12日に米下院で採決される。上下両院を通過した後、トランプ米大統領が署名し、成立する。過去最長となる政府機関の閉鎖は政府職員の給与支払いの停滞や主要空港での運航削減などを引き起こしていた。
政府閉鎖が終了すれば、米国の経済活動が正常化に向かい、下振れリスクが軽減されるとの見方につながっている。市場では「米雇用統計などの経済指標の発表が再開されれば、投資判断がしやすくなる」(インガルズ・アンド・スナイダーのティモシー・グリスキー氏)との指摘がある。
一方、ハイテク株の一角には売りが出ている。ソフトバンクグループ(SBG)が保有する全株式を売却したと11日に発表したエヌビディアが安い。ダウ平均の構成銘柄ではないが、人工知能(AI)向けインフラのコアウィーブも大幅に下げている。前日に2025年12月期通期の売上高見通しを引き下げたことが売りを誘っている。
そのほかの個別銘柄では、ナイキやメルクが上昇している。アムジェンやジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)も高い。半面、シスコシステムズやキャタピラーが下落している。
ハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数は反落している。メタプラットフォームズやテスラが下落している。
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