ニューヨークのウォール街=遠藤啓生撮影

【NQNニューヨーク=稲場三奈】17日の米株式市場でダウ工業株30種平均は一進一退で始まり、午前9時35分現在は前週末比19ドル93セント安の4万7127ドル55セントで推移している。週内に9月の米雇用統計やエヌビディアの四半期決算が発表される。内容を見極めたい市場参加者が多く、様子見の雰囲気がある。

米連邦政府機関の一部閉鎖の解除に伴い、延期されていた米指標の公表が再開する。20日には9月の米雇用統計が発表される。米連邦準備理事会(FRB)の高官から、12月の利下げ見送りを示唆する発言が相次ぐなか、経済指標の内容を確認したい投資家が積極的な売買を控えている。

金融政策運営を巡っては、FRBのジェファーソン副議長は17日朝の講演で、今後の利下げについて「慎重に進める必要性がある」などと語った。週内にはほかの高官の発言機会が多く、市場参加者の関心が高い。

19日にはエヌビディアが2025年8〜10月期決算を発表する。市場の高い期待に応え、人工知能(AI)への過剰投資や中国事業を巡る懸念を払拭できるかに注目が集まる。エヌビディアは米市場で最大の時価総額があり、決算発表後の株価の動きが相場全体に影響する可能性もある。

朝発表の11月のニューヨーク連銀製造業景況指数は18.7と、ダウ・ジョーンズ通信がまとめた市場予想(5.5)を上回った。「新規受注」や「出荷」などが改善した。米経済が底堅さを保っているとの見方は、投資家心理の支えとなっている。ダウ平均は小幅に上昇する場面があった。

個別ではアップルが安い。英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)が14日、ティム・クック最高経営責任者(CEO)の退任に向け後継者選びを進めていると報じたことが材料視されている。ナイキやエヌビディア、アマゾン・ドット・コムも下げている。半面、アムジェンやウォルト・ディズニー、シスコシステムズは高い。

ハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数は一進一退で推移している。アルファベットが上昇している。米著名投資家ウォーレン・バフェット氏が率いる投資会社バークシャー・ハザウェイが25年7〜9月期にアルファベット株を新たに取得したことが14日に明らかとなり、買い手掛かりとなっている。

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