
【ニューヨーク=吉田圭織】米調査会社コンファレンス・ボードが26日発表した8月の米消費者信頼感指数は、前月の改定値から1.3ポイント低下し97.4となった。2カ月ぶりの低水準となった。関税に伴うインフレや雇用状況の悪化による景気減速への懸念が出てきている。
ダウ・ジョーンズによる市場予想(96.5)を0.9ポイント上回った。消費者信頼感指数は米個人消費の先行指標とされ、1985年を100として算出している。

内訳では、足元のビジネスや労働市場の景況感を示す「現況指数」は前月から1.6ポイント下落し、131.2となった。短期的な見通しを示す「期待指数」は74.8と1.2ポイント下がった。景気後退の前兆とされる水準である80は7カ月連続で下回った。
コンファレンス・ボードのステファニー・ギシャール氏は「消費者の回答では関税に関する言及がやや増加し、食品や日用品のインフレについての内容も8月に再び増えた」と指摘した。
雇用環境をめぐる不透明感は強まっている。仕事を見つけるのが難しいとの回答は1.1ポイント上昇し20%となり、約4年ぶりの高水準となった。現在雇用が「豊富」と答えた消費者は29.7%と0.2ポイントの低下だった。
ウェルズ・ファーゴのエコノミスト、ティム・クインラン氏は関税に伴う価格転嫁が難しいなか、企業は人件費削減に動く可能性が高いと指摘した。「関税よりも労働市場が今後の消費動向の先行きを左右しそうだが、今のところ良い状況にあるとは言いがたい」と警告した。
インフレ懸念もじわりと広がった。1年先の予想インフレ率は前月から0.5ポイント上がり6.2%となり、5カ月ぶりに上昇した。
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