国連安保理は26日、国際的な平和と安全の維持と法の支配の強化についての会合を開いた=国連提供

【ニューヨーク=吉田圭織】国連で米国への直接的な批判を避ける国が増えている。2026年に入ってからベネズエラ攻撃やグリーンランド購入問題など、米国による国際問題が多発している。次の標的となることを恐れ、米国と問題を抱える国はもちろん、国連トップの事務総長ですら明確に批判しないケースが相次ぐ。

国連の安全保障理事会は26日、国際的な平和と安全の維持と法の支配の強化についての会合を開いた。安保理の非常任理事国の構成は毎年代わるが、26年のメンバーは米国となんらかの形で問題を抱えるソマリアやパナマ、デンマーク、コロンビアが理事国として入っている。

それぞれ会合では自国が米国と抱える国際法関連の問題に直接言及することを避けた。トランプ米大統領が獲得に意欲を示すグリーンランドを領有するデンマークのイェンセン・ランディー国連次席大使は「法の支配に基づく国家間の関係を約束する国連憲章がかつてない脅威にさらされている。方向転換が必要だ」と述べた。

パナマのアルファロ国連大使は「外交はビジネスになってはならない」と語り、コロンビアのザラバタ国連大使は「いかなる国家も、特定の利益を理由に国連憲章の原則を無視してはならない」と述べるにとどめた。トランプ氏はコロンビアのペトロ大統領が麻薬取引に関与していると一方的に主張しており、2月には両首脳の会談が予定されている。

国連そのものも同じ状況だ。国連のグテレス事務総長は26日の会合で「世界各地で法の支配がアラカルトで注文するメニューのように扱われている」と主張。自国に都合の悪い国際法を無視する米国を批判する意図があるものの、トランプ氏を直接名指しすることは避けた。

世界の紛争解決を担うことをめざす米国主導の「平和評議会」の設立を念頭に、「安保理のみが全ての国に法的拘束力を持つ決定を採択でき、国際法の下で武力行使を承認できる」と指摘したものの、米国の行動について直接述べることはなかった。

米国は国連加盟国で最大となる22%の分担金の支払い義務があるが、まだ25年分を支払っていない。支払い延滞で財政危機に陥っている国連はその分担金を支払ってほしく、米国を刺激したくないのが本音だ。

ベネズエラやイランをめぐる安保理が開催した緊急会合ではグテレス氏は出席しなかったほか、米国による国連機関の脱退の発表を受けても、グテレス氏は「遺憾だ」と言うだけにとどめた。

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