証言するラトニック商務長官=ロイター

【ワシントン=芦塚智子】ラトニック米商務長官は10日、上院歳出委員会での証言で、少女買春などの罪で起訴され自殺した米富豪ジェフリー・エプスタイン氏所有の島を2012年に訪れていたことを認めた。これまでの発言と食い違っており、議会で辞任を求める声が広がっている。

ラトニック氏は、家族との休暇中にエプスタイン氏がカリブ海に所有していた島で昼食を共にしたと明らかにした。妻や子供たちと乳母、もう1組の家族も一緒で、1時間ほどの昼食の後に全員で島を離れたと説明した。

ラトニック氏はこれまで、05年にニューヨークで近所に住んでいたエプスタイン氏に初めて会い、嫌悪感を覚えすぐに関係を絶ったと語っていた。

しかし司法省が1月末に公表したエプスタイン氏の捜査資料の中に、ラトニック氏が12年12月にエプスタイン氏の島を訪れる計画をしていたことを示すメールがあった。

エプスタイン氏は08年に南部フロリダ州で買春罪で有罪判決を受けている。ラトニック氏が島を訪れたのはその後になる。メールの記録は、ラトニック氏が少なくとも18年まで秘書らを通してエプスタイン氏と連絡を取っていたことを示している。

ラトニック氏は証言で、エプスタイン氏に会ったのは14年間で3回にすぎないと強調し「私は彼と何の関係も持たなかった」と主張した。島を訪れた際にエプスタイン氏の不適切な行動などは見なかったと説明した。

民主党のガルシア下院議員はX(旧ツイッター)への投稿で「ラトニック氏は辞任するか解任されなくてはならない」と主張した。共和党のマッシー下院議員も米CNNのインタビューで「辞任すべきだ」と述べた。辞任要求は民主を中心に他の議員からも出ている。

エプスタイン氏はトランプ大統領やクリントン元大統領を含む政財界や芸能界などの大物と広い交友関係があった。エプスタイン氏との関係が明るみに出たことによる辞任が米国内外で相次いでいる。これまでにエプスタイン氏以外が違法行為に関与したことを示す証拠は出ていない。

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