現地資本による経営であることをアピールするマレーシアのスターバックスの店舗

イスラエルによるパレスチナ自治区ガザ攻撃を機に、イスラム教徒が多いマレーシアとインドネシアで米国系の有名チェーン店に対するボイコットが起きています。スターバックス、ケンタッキーフライドチキン、ピザハットなど以前は高い人気を誇ったブランドでしたが、メニューの現地化、値下げ、資産売却といった対応を迫られています。

マレーシアの首都クアラルンプールにあるスターバックスの店舗のマネジャーは「(メニューの)現地化を進めたおかげで、お客様はだいぶ戻ってきています」と話します。現地のバリスタが厳選したドリンクのキャンペーン、現地の芸術家がデザインしたグッズの販売、現地食材を使ったメニューで「マレーシア」を前面に出し、米国色を薄めています。

スタバ以外でも、イスラム教の戒律に沿ったハラル認証を強調したり、値下げしたり、現地人材の採用を増やしたりと地元客を呼び戻そうとする動きが活発です。

ボイコットの影響が続いているチェーン店は多く、一部企業では業績や事業計画の修正を迫られています。インドネシアでスタバを運営する現地企業は2025年上半期の損失が拡大し、年間70〜80店だった出店ペースを10~15店に落としました。

■この記事の全文(英文)はNikkei Asiaでお読みいただけます Boycott-hit US brands in Malaysia and Indonesia scramble to reverse losses

動画配信サービスでも米国離れが起きつつあります。中国の動画配信大手の愛奇芸(アイチーイー)や騰訊控股(テンセント)がコンテンツの現地化を進めており、ネットフリックスを追い上げています。

■この記事の全文(英文)はNikkei Asiaでお読みいただけます China's streaming companies gain on Netflix in Southeast Asia

ライフ&アーツ シンガポールに唯一残る野生のネコ科動物

シンガポールのレオパードキャット

シンガポールに唯一残る野生のネコ科動物に関する記事も、読者の注目を集めました。植民地時代にトラやヒョウは絶滅してしまいました。同国に残る「レオパードキャット」は日本ではベンガルヤマネコなどと呼ばれます。家庭でペットとして飼う猫と同等のサイズですが、小さな斑点があり、長い耳と短い尾が特徴です。

シンガポールの非営利団体がレオパードキャットを探す散策ツアーを企画していますが、実際に目撃できるとは限りません。目撃情報があった場所で主要国際空港の拡張が計画されていることもあり、生息地保護の取り組みが欠かせません。

■この記事の全文(英文)はNikkei Asiaでお読みいただけます On the trail of Singapore's last wild cat

オピニオン 文化的侵食に直面する日本アニメ

劇場版「鬼滅の刃」を見に映画館を訪れる人々

アニメと言えば日本というのは今や昔。7月にロサンゼルスで開催されたアニメエキスポは64カ国以上から延べ40万人以上の観客が訪れました。記事では、米国、韓国、フランスの企業がアニメ制作に本格的に取り組んでいると指摘し、日本も外国の配信会社に頼らずに自ら国際展開を進めなければ、日本の漫画・アニメ文化は世界から取り残されていくと警告します。

韓国のウェブトゥーンは作品のアニメ化だけでなくサイン会や限定グッズ販売でファンを広げています。世界的なアニメ人気を収益に取り込めるか、日本のコンテンツ業界の新たな課題といえそうです。

■この記事の全文(英文)はNikkei Asiaでお読みいただけます Anime, Japan's cultural crown jewel, faces foreign invasion

国・地域別トップアクセス

@ベトナム 在外高度人材を呼び戻し

ベトナムでは、産業の高度化や技術革新を支える人材の確保に向けて、海外で活躍するベトナム人やベトナム系移民の呼び戻しに力を入れています。政府は、二重国籍の容認など帰国者が働きやすい環境の整備を進めています。本記事では、約20年の海外生活を経て母国に戻り働き始めたベトナム人らへの取材を通じて、取り組みの実態を紹介しました。米国、オーストラリア、シンガポールなどで多く読まれました。

■この記事の全文(英文)はNikkei Asiaでお読みいただけます Overseas Vietnamese courted by Hanoi to come home as solution to talent gap

@シンガポール 潜水艦や戦闘機で防衛力強化

シンガポールが防衛力を強化しています。2025年に入り新しい潜水艦を2隻発注したほか、戦闘機も積極的に購入し、25年度の防衛予算は前年度から12%増加します。同国は小国故に他国との積極的なパートナーシップによって安全保障を向上させてきました。ただ、自国優先主義が世界的に高まるなかでその原則が崩れる可能性があり、防衛力の強化を図っています。シンガポールの動向は近隣のタイやフィリピン、ミャンマー、インドネシアの読者の関心を集めました。

■この記事の全文(英文)はNikkei Asiaでお読みいただけます Singapore beefs up defense clout while targeting diplomatic anchor role

@台湾 TSMC、情報漏洩疑いで従業員解雇

半導体世界大手の台湾積体電路製造(TSMC)が先端半導体技術に関する機密情報の不正取得の疑いで複数の従業員を解雇したことをスクープしました。TSMCが2025年中の量産開始を予定する回路線幅2㌨(㌨は10億分の1)の半導体開発・製造に関する情報を狙ったとされています。その後、台湾の高等検察署知的財産検察分署が元従業員ら3人を拘束。半導体製造装置日本最大手東京エレクトロンは元従業員1人の関与を確認したと発表しました。

■この記事の全文(英文)はNikkei Asiaでお読みいただけます TSMC fires workers for breaching data rules on cutting-edge chip tech

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