熊本県美里町の自然豊かな森を抜けると、無機質な人工物が突如現れた。近年、異空間のような写真が撮れるとSNS映えスポットとして人気となっている「八角トンネル」だ。
近づくとコンクリートで造られた八角形の建造物が7基、等間隔で配置されていた。
南熊本駅(熊本市)から砥用(ともち)駅(現美里町)までの28.6キロメートルを走った熊延(ゆうえん)鉄道の落石よけとして造られた。この鉄道の由来は、1915年(大正4年)に南熊本駅に開通し、宮崎県延岡市までをつなぐ計画だったことから、一文字ずつ取って「熊延」と名付けられたという。1964年(昭和39年)に廃線となったが、橋脚とともに鉄道遺構として今も残る。
町は、落石よけとして不完全な形になった理由として「建設費削減のためとする説が有力で、なぜ八角形なのかなど、形も構造も謎が多い遺構」としている。
近くにはアーチ状の二俣橋があり、10月~2月の11時~12時にかけて、太陽の光が橋の下にハートの形を映し出すことから、恋人の聖地として知られている。町によると、「ハート形」を見ることはできるが、8月の記録的大雨被害で橋を渡ることができなくなっているという。
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