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コンクリートでつくられた建造物7基で構成される八角トンネル=2025年9月8日、熊本県美里町、日吉健吾撮影

 熊本県美里町の自然豊かな森を抜けると、無機質な人工物が突如現れた。近年、異空間のような写真が撮れるとSNS映えスポットとして人気となっている「八角トンネル」だ。

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駐車場には案内板が立てられ、左奥に200メートル進むと八角トンネルがある=2025年9月8日、熊本県美里町、日吉健吾撮影

 近づくとコンクリートで造られた八角形の建造物が7基、等間隔で配置されていた。

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コンクリートでつくられた建造物7基で構成される八角トンネル=2025年9月8日、熊本県美里町、日吉健吾撮影

 南熊本駅(熊本市)から砥用(ともち)駅(現美里町)までの28.6キロメートルを走った熊延(ゆうえん)鉄道の落石よけとして造られた。この鉄道の由来は、1915年(大正4年)に南熊本駅に開通し、宮崎県延岡市までをつなぐ計画だったことから、一文字ずつ取って「熊延」と名付けられたという。1964年(昭和39年)に廃線となったが、橋脚とともに鉄道遺構として今も残る。

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八角トンネルから約400メートル先には第一津留川橋梁の橋脚が残る=2025年9月8日、熊本県美里町、日吉健吾撮影

 町は、落石よけとして不完全な形になった理由として「建設費削減のためとする説が有力で、なぜ八角形なのかなど、形も構造も謎が多い遺構」としている。

 近くにはアーチ状の二俣橋があり、10月~2月の11時~12時にかけて、太陽の光が橋の下にハートの形を映し出すことから、恋人の聖地として知られている。町によると、「ハート形」を見ることはできるが、8月の記録的大雨被害で橋を渡ることができなくなっているという。

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太陽光がアーチ状の二俣橋の下にハート形を映し出す。きれいなハート形になるのは10月~2月の正午前の約30分間=2025年9月8日午前11時7分、熊本県美里町、日吉健吾撮影
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NPO法人地域活性化支援センター(静岡)から「恋人の聖地」として認定され、橋のたもとにはモニュメントがある=2025年9月8日、熊本県美里町、日吉健吾撮影
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駐車場には八角トンネルを説明するボードが設置されている=2025年9月8日、熊本県美里町、日吉健吾撮影
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コンクリートでつくられた建造物7基で構成される八角トンネル=2025年9月8日、熊本県美里町、日吉健吾撮影
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コンクリートでつくられた建造物7基で構成される八角トンネル=2025年9月8日、熊本県美里町、日吉健吾撮影

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