
茨城県は筑波大付属病院と連携し、県民に野菜の摂取を促す高血圧対策に乗り出した。県では脳血管疾患や急性心筋梗塞(こうそく)といった循環器疾患による死亡率が高く、これらのリスクとなる高血圧を予防するのが狙い。県は26日、野菜を購入したり血圧を測定したりして応募すると県産品が当たるキャンペーンを始めた。【鈴木敬子】
厚生労働省のまとめによると、県内の脳血管疾患による死亡率は都道府県別で男性はワースト4位、女性は同5位、急性心筋梗塞では男性が同4位、女性が同7位となっている。一方、特定健診で高血圧に該当し、治療が必要とされた人のうちの半数以上が治療を受けていないという。
県はこれまで毎月20日を減塩の日と定め、減塩の啓発に取り組んできた。今回は塩分を排出する効果があるカリウムを多く含む野菜を1日350グラム食べることを推奨。この値は国が定める目標摂取量だが、現在の県民の摂取量は約280グラムで小鉢1皿分ほど足りないため、キャンペーンを通じて摂取を促す。カリウムはレンコンやカボチャ、コマツナ、ミズナ、ホウレンソウなどに多く含まれている。
また、血圧測定の習慣化や高血圧の診断基準を超えた場合の受診も呼び掛ける。キャンペーンは野菜を買った際のレシートや、測定した血圧の記録を入力するなどし、専用の応募フォームから申し込む。第1弾は26日~11月14日。抽選で新ブランド「常陸牛 煌(きらめき)」と野菜の詰め合わせ(3万円相当)などが当たる。
大井川和彦知事は「小鉢1皿分多く野菜をとるという対策は減塩よりも分かりやすく、達成しやすい目安だ」と話した。
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