東大寺を発願した聖武天皇の遺品をはじめ、数多くの宝物が納められた奈良市の正倉院で2日、宝庫の扉を開ける「開封の儀」があった。11月まで宝物の点検、調査が行われ、一部は奈良国立博物館(奈良博)で25日から開かれる「第77回正倉院展」で公開される。
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午前10時、飯田剛彦・正倉院事務所所長に先導され、天皇陛下の勅使として派遣された松永賢誕侍従や橋村公英・東大寺別当(住職)、井上洋一・奈良博館長らが、列を作って西宝庫に向かい、中へ入っていった。
宝庫の六つの部屋にはそれぞれの扉の鍵に縄を巻き付けた「勅封」が施されており、勅使の立ち会いのもとで封を解き、開かれる。宝物の点検や調査、正倉院展での公開などを経て、11月28日に再び扉の鍵を封じる「閉封の儀」が行われる。
今年の正倉院展は25日から11月10日まで、奈良博の東西新館で開催。「蘭奢待(らんじゃたい)」の異名で知られる巨大な香木「黄熟香(おうじゅくこう)」や、深い青色のガラス杯「瑠璃坏(るりのつき)」など67件の宝物が公開される。
事前予約制の日時指定券は一般2千円、高校・大学生1500円、小中学生500円。指定枠に空きがある場合、奈良博の特設窓口で当日券を販売(発券料1枚200円)。問い合わせはハローダイヤル(050・5542・8600)へ。
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